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2017年4月16日(日)に、ベーゼンドルファー東京にて弓張美季さん、アンソニー・ヒュウィットさんによるピアノリサイタル『2台ベーゼンドルファーによる華麗なる饗宴』が二回公演で開催されました。
幼少期にドイツへ移住後、欧米やロシア等で研鑽を積み、現在はベルリンを拠点に活動。各国のオーケストラとの共演や、音楽祭でも活躍されている弓張さんと、
「たぐいまれなる才能を授かったアーティスト」とグラモフォン誌にて賞賛され、イギリスで最も才能のあるピアニストの一人として多彩な活躍をされるアンソニー・ヒュウィットさんの饗宴に、会場は満席となりました。
お二人が大きな拍手とともに登場すると、弓張さんがModel290インペリアル、アンソニーさんがModel280VCの前に座ります。アンソニーさんがそっと鍵盤に指を置くと、静かなピアノの旋律から、「W.A.モーツァルト:2台のピアノのためのラルゲットとアレグロ 変ホ長調(未完)」が始まりました。

 

2台のピアノの優しく、親密な会話から始まり、アレグロに入ると協奏曲風で画期的なテーマが続きます。モーツァルトがまさしくベーゼンドルファーの故郷、ウィーンで作曲したといわれるこの曲。会場中がすっかりウィーンの香りに包まれます。

実は幼い頃から同じ音楽学校で学び、切磋琢磨したというお二人。「本当に素敵な学校でした。みんなが競い合うようなこともありませんでしたし、自然の音に耳を傾ける"サイレンスの時間"なんかもありました。」と、学生時代のエピソードも紹介してくださいました。「こうして二人で演奏すると、喧嘩したり笑いあったり、すっかり14歳に戻ります」と弓張さんが笑うと、隣でアンソニーさんも笑顔でうなずきます。
 

続いてサン=サーンス:「死の舞台」作品40。”骸骨たちのワルツ”とお二人が表現するように、午前0時、骸骨たちが不気味に現れ、音を立てながら激しく踊る様子、そして最後には彼らが墓場へ帰り再び静けさが戻る様子を見事に表した作品です。フランスの詩人、アンリ・カザリスの幻想的な詩からインスピレーションを得、サン=サーンスが作曲したもので、今回のリサイタルで披露された2台のピアノバージョンもサン=サーンス自身が編曲しています。

 

続く M.ラヴェルの「ラ・ヴァルス」、一見優雅なワルツのように聴こえますが「19世紀後半のオーストリア・ハンガリー帝国の破局の予感が暗示されているように感じます・・。」と弓張さんは言います。「冒頭のコントラバスの遠い不気味なオープニングから優雅で明るいウィンナーワルツに展開していきます。しかし豪華なワルツの中にいながらも低音部がいつも不安な感じで伴奏とメロディーが合っているかいないか解らない、・・・・美しく幻想的とも言える曲ですが、なんとなく不気味でワルツに酔いしれながら破滅に向かっていく・・。」演奏前にはこうお話していただきました。
不気味とはいえウィンナーワルツらしく色っぽく、豊かなメロディーに、会場も酔いしれました。

      

プログラム最後の曲は R.チャイコフスキー作曲「くるみ割り人形」組曲作品71a。
誰もが一度は耳にしたことがあるクリスマスの名曲に、「みなさん、今からクリスマスになりますよ!」という弓張さんの一言で会場の雰囲気もいっそう明るくなります。弓張さん自身もロシア在住時、くるみ割り人形が初演された”マリンスキー劇場”にはよく足を運んでいたそうで、「今でもこの音楽を聴くと、子供だった頃を思い出してワクワクドキドキします。」とヨーロッパのクリスマスのエピソードも合わせて紹介してくださいました。
「小序曲」から始まり、「金平糖の踊り」「アラビアの踊り」など曲中の主人公が夢の中で世界を旅するバレエ曲。演奏の前にお二人が曲についてお話してくださいました。中でも最後の「花のワルツ」を、ちょうど桜が見ごろの東京にちなんで「サクラ・ワルツ」とアンソニーさんが紹介すると、弓張さんも会場の皆さんも笑顔になります。

 
曲に合わせリズミカルに体を揺らし、目を合わせながら息の合った演奏を聴かせるお二人。目を閉じながら豊かな音色に耳を傾けたり、お二人の様子に釘付けになったりと会場全員が二人の世界に誘われます。

演奏が終わり会場は熱気と大きな拍手に包まれると、「ブラジルのサンバを聴いてください!」という弓張さんの一声でお二人がアンコールに応えました。
春を感じるような2台ピアノのための名曲から、ヨーロッパを感じさせるワルツ、クリスマスシーズンの名曲にサンバ風のアンコールと、会場中がまるで世界を一周しているかのような気分になりました。
2公演目ではなんと2度のアンコールに応えて、最後には貴重な連弾を披露してくださいました。(使用楽器:Model290インペリアル
最後まで鳴り止まない拍手と和やかな雰囲気の中、終演となりました。
 

※当日の演奏の一部を、こちらのページにて近日公開予定です。
現在準備中ですので、今しばらくお待ちくださいませ。

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