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2016年10月23日(日) 開催
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2016年10月23日(日)ベーゼンドルファー東京展示サロンにて、伊藤理恵さんによるサロンコンサート「時を聴くⅡ~1909年製Model250とともに~」が開催されました。テーマ性のあるリサイタルやコンサートシリーズを展開されている伊藤さんが、一昨年に開催され好評を博した「1909年に製造されウィーン国立歌劇場で使用されていたピアノModel250(92鍵)を演奏する公演・第2弾」として再登場。ウィーンに縁のあるシューベルト、ブラームス、ベートーヴェンの作品を熱演されました。
当日は温かみのある白熱灯の照明が1900年代の雰囲気を醸し出し、1909年製のModel250のノスタルジックで味わい深い響きが会場を包みました。
 
コンサートの前半はシューベルトの作品です。 「即興曲 ハ短調 D899 Op.90-1」は冒頭の単旋律から始まるメロディーが物寂しげで、まさにピアノが語りかけてくるような印象を受けました。続く「即興曲 変ト長調 D899 Op.90-3」は、透明感あふれる旋律、弱音から強音へのコントラスト、移ろいゆく和声の美しさ等、シンプルでありながら深遠な世界が表現されました。そして、シューベルトの最高傑作とも評され今回のハイライトともいえる大曲「ピアノソナタ第21番 変ロ長調 D960」では、存在感のある低音部の響きを豊かに聴かせベーゼンドルファーピアノの魅力が存分に引き出されました。完璧にコントロールされたタッチや色彩感豊かな音のコントラストが心地よく会場に満ち溢れ、まるで天空から音が舞い降りてくるかのような神々しい演奏に会場は圧倒されました。

  

後半は「ブラームス/ 3つの間奏曲 Op.117」で演奏をスタート。ブラームスの晩年期1892年に作られた傑作を柔らかく包み込むような繊細な音色で聴かせます。特に内声の歌わせ方は秀逸で会場は伊藤さんの描く美しく神秘的な世界に引き込まれていきます。プログラムの最後は「ベートーヴェン/ ピアノソナタ 第32番 ハ短調 Op.111」どこか懐かしいメロディーで聴き手を魅了するベートーヴェン最後のソナタです。何度も繰り返される主題はその度に印象を変えて現れ、深みのある響きや細部にまでわたる繊細な表現からは伊藤さんの美学が感じられます。最後の一音が会場に静かに響き音が消え入るまでの余韻に会場にいた全員が聞きいり深い感動に包まれました。
 
アンコールは「バッハ / 平均律クラヴィーア曲集 第1巻 第1番よりプレリュード」と「シューベルト/3つのピアノ曲(即興曲)第2番 変ホ長調 D946」です。シューベルトの遺作と呼ばれているこの作品は1828年、ベーゼンドルファー社が設立された年に書かれたもの。心に響く伊藤さんの素晴らしい演奏に最後まで盛大な拍手が送られました。
 

 
◆お知らせ
2017年、伊藤理恵さんのリサイタルシリーズ開催が決定しました。2015年オープン 素晴らしい音響を誇るCHABOHIBA HALLでベーゼンドルファーModel225の音色をお楽しみいただけるシリーズです。


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